少女達へ

 

手紙を書きます

 

海辺で泣いていたのは、私でした

 

森をさまよっていたのは、私でした

 

私には光がなく、名前がなく、色がなく

 

闇に押しつぶされていました

 

あなたたちは、遠い世界で

 

私の一番近くに来てくれました

 

同じ目をして、同じ言葉を唄って

 

違う世界の仕組みを教えてくれました

 

優しい闇があることを教えてくれました

 

もうあなたたちと交わることはないでしょう

 

美しい日々を抱いて

 

何もかもがなくなった街で

 

何もかもがあったことを覚え続けます

 

覚めていったゆめは

 

ここにあった部屋で

 

残された鍵を持って、いつかその扉を開きにゆきます